セミナーシリーズ詳細

新津保建秀写真スクール「見えないものを撮る」

ケハイ、音、時間、匂い、言葉…。視覚のメディアである写真は「目に見えないもの」をいかに写し撮ることができるのでしょうか。 異分野のクリエーターとのコラボレーションを始め、今もっともその活動が注目される写真家のひとり、新津保建秀が初めて取り組む写真講座シリーズが2011年5月スタートします。

毎回、異なるテーマのもとに受講者が撮ってきた写真をめぐり、多様な分野の第一人者をゲストに迎え、 ディスカッション形式で講座を展開します。夏には「大地の芸術祭」の里、越後妻有で合宿形式のワークショップも行い、 講座終了時には、全講座の成果を発表する展覧会を代官山のヒルサイドテラス内、ヒルサイドフォーラムにおいて開催します。

展覧会では、写真・美術・カルチャー・広告等の雑誌編集長によるレビューを実施し、年齢を問わない、新しい才能の発掘の場となることを目指します。

新津保建秀 プロフィール
1968年生まれ。写真と映像による作品制作を行う。数多くの企業広告、音楽、映画、文藝、ファッション、建築の写真を手がけ、 異分野のクリエーターとの共同作業も多い。昨年手がけたものとして、日本郵便年賀状キャンペーンポスター、 「きこえる?School & Music」(文藝春秋/東京大学知の構造化センター pingpong project)など。 写真集に『記憶』(FOIL)、『夏*』(マドラ出版)、『Rugged TimeScape』(FOIL)。関連書籍に『建築と写真の現在』(TNプローブ)がある。
永井一史 プロフィール
1968年生まれ。多摩美術大学卒業。博報堂入社後、2003年ブランディングを中心としたHAKUHODO DESIGNを設立。2007年デザインを通じてソーシャルな課題解決に取り組む、+designプロジェクトを立ち上げる。2008年11月、雑誌「広告」編集長に就任。
渋谷慶一郎 プロフィール
1973年生まれ。音楽家、作曲家。東京芸術大学音楽学部作曲科卒業。2002年ATAK設立。2004年電子音楽における記念碑的作品「ATAK000keiichiro shibuya」をリリース。以後、ネットワークテクノロジー、映像など多様なクリエイターと活動を展開。他に「アワーミュージック 相対性理論+渋谷慶一郎」、映画「死なない子供、荒川修作」の音楽も担当。
池上高志 プロフィール
1961生まれ。東京大学大学院情報学環/広域システム系教授。専門は複雑系の科学/人工生命。非生命的なものの現象をもとに生命現象について考える。人工生命分野を国際的にリードする第一人者。アートやデザインにも活動の場を広げる。著作に『動きが生命をつくる』(青土社 2007年)等。
皆川明 プロフィール
1967年生まれ。デザイナー。1995年に自身のファッションブランド「mina(2003年よりmina perhonenに改名)」設立。国内外の生地産地と連携してオリジナルデザインの生地による服作りを進め、高い評価を受ける。国内外で展覧会開催。今春『mina perhonen?』(ビー・エヌ・エヌ新社)刊行。
東浩紀 プロフィール
1971年生まれ。批評家、作家。早稲田大学教授。専攻は哲学、表象文化論。主な著書に『存在論的、郵便的』(新潮社、サントリー学芸賞)『クォンタム・ファミリーズ』(新潮社、三島由紀夫賞)等。2010年末に「思想地図 β」を創刊、2010年代の思想シーンを牽引する。

写真スクールへのお誘い ―新津保建秀―

写真を撮るということは、具体的なものを撮っていても、実際は非常に抽象性の高い作業です。 それは、私たちの周囲にあるけど気づかない、あるいは見えないものに対してなんらかのフレームを設定することによって、個人や社会が無意識に見ているものを立ち上げる、あるいは敢えて消去していく作業であるといえます。 その過程ではカメラではとることのできない“見えない”対象を考えてゆくことがとても有効になってきます。僕自身は写真を26歳のときに独学で始めたのですが、一人で模索していた頃「こういう場があったらいいな」と考えていた場と、 そこから生まれる可能性の実現をこのスクールでは目指していきたいと考えています。 ここでの演習は、以下の2つの大きな柱より成っています。

  • 1:合計5回の課題制作を行いながら、各自リサーチを行い、それらをもとにディスカッションを行いながら自分の興味関心を明確にしてゆくこと。
  • 2:写真では撮ることが難しい対象をご自身の活動で扱っている各界の第一人者をお迎えして、毎回お話をうかがい、各自の作業にフィードバックしてゆくこと。

いらしてくださるのは私がこれまで一緒にお仕事をしてきた多彩な方々です。彼らのお話から対象をどのように“ 見て ”ゆくかのきっかけをつかんで欲しいです。 さまざまな演習課題と参加者相互の対話を通し、作品におけるテーマの作り方と対象をいかに“見て”ゆくかを探る場をみなさんと作ってゆければと思います。 夏には合宿での制作や、最後には一年の作業の成果を俯瞰するための展覧会を行いますので非常に充実した内容となっています。ここヒルサイドテラスでの写真クラスが、写真を通し世界をとらえてゆく楽しさを知るきっかけと、皆さんの今後の制作活動に役立つ場になれば幸いです。 年齢、専門的な知識や経験の有無を問わず、写真に関心を持つさまざまな方のご参加をお待ちしています。

  • 時間

    各回 14:00-17:00

  • 会場

    ヒルサイドテラス アネックスB棟(東京都渋谷区猿楽町30-2)

  • 定員

    25名

  • 受講料

    一般6万円 クラブヒルサイド会員5万円 学生5万円
    ※第4回 1泊2日の宿泊費【朝夕食付】
    終了レビュー参加費含む

  • 主催

    クラブヒルサイド

  • 協力

    代官山スタジオ

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