文明の踏み分け道で考える―北川フラムと“アート”を語る レポート 第2回 「思想は社会を動かせるか」 ゲスト:東浩紀
2014年6月12日(木) クラブヒルサイドサロン

各界の第一線で活躍する多彩なゲストを迎えて繰り広げられる「北川フラムと語る」トークシリーズ第2回目は思想家、作家としての活躍をはじめ、思想誌「思想地図β」の発刊、株式会社ゲンロンの立ち上げなど、自ら言論活動の場を築かれている東浩紀さんを迎えて行われた。

東さんは、批評活動をするうえで一緒にその場を共有し共通の経験をすることで生まれてくる関係性の重要性を説き、その土台として本をつくること、会社をつくることに行き着いたと語った。また東さんが芸術祭に関心を持つ理由は、芸術祭は一定時間、一緒の体験を共有させる方法として強力に機能するということにあるのだという。それを受けて北川さんは、アートは入射角が多様だということをいい、さまざまな人たちが各々の能力に応じて参加できる、手伝うことができる、つまり身体的な共通の場を形成しやすいところにアートの面白みがあるということを述べた。

今回の対談はいかに場をつくり、そこでの経験を蓄積していくのかを巡って、お二人の話しは江戸期をかい潜り、果ては現在の福島、越後妻有へ、と随所に聞きどころがあり、豊かな可能性を感じさせるものとなった。