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新津保建秀写真スクール「見えないものを撮る」 第4回 レポート

2011年8月27日(土)~28(日) 新潟県越後妻有「大地の芸術祭の里」

かたくりの宿

 第4回は、越後妻有・大地の芸術祭の里にある「かたくりの宿」での1泊2日の合宿授業。スタッフも含め、総勢30人の参加で大いに盛り上がりました。ゲストは、東京大学大学院教授の物理学者、池上高志さん。長身に白いフレームのサングラスとアロハシャツで颯爽と現れた池上さんは、科学者であると同時にアーティストとしても活躍されています。

 今回のテーマは、「時間」。あらかじめ自分のフィールドで撮ってきた写真1枚と、合宿で撮影した2枚を組み合わせた「3枚の写真」によって、時間・空間、そして自分の思考のかたちを表現するという課題です。

新津保建秀写真スクール

 1日目の午後、受講生は、峻嶮な渓谷に囲まれてひっそりとある秘境・秋山郷の結東集落を歩き、3時間あまりにわたってそれぞれが撮影に取り組みました。夕食後の講評会では、3枚組の写真によってそれぞれが考える「時間」をプレゼンテーション。それを新津保さんと池上さん、そして受講生同士が深夜まで長時間にわたり批評していきました。

新津保建秀写真スクール

 東京と妻有に流れる時間と空間の密度を対照させることで、時間の質を表現しようとした人。時間を生と死に裏付けられた「永遠」としてとらえようとした人。あるいは「流れ」としてとらえようとした人。空間を時間の関数とし表現しようとした人。「観念」としての時間を視覚化しようとした人。あるいは皮膚感覚として時間を表現しようとした人。

 池上さんは、写真というメディアのもつ無意識性(写ってしまうこと)とそれゆえの具体性(写されたものがあること)の面白さと可能性を指摘。「時間」という抽象的なものへの、哲学や科学とはまったく異なるアプローチを提示するものであると語られました。
一方、新津保さんは、今回の合宿で、各自が、これまでの授業で見えてきたそれぞれの主題や課題を果敢に深化させようとしていた姿を評価しました。自分の「手癖」(必勝パターン)をあえて封じる、あるいは借り物の言葉や表面的なテクニックに頼らずに「観る」という行為に対して開かれたあり方。それはまた、ひたすら数多く「撮る」ことから獲得できる感覚なのだと受講生を激励しました。

  • 新津保建秀写真スクール
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 合宿授業の前後にアートツアーも入れ込みながらのプログラム。かつて小学校だった宿で、美味しい地産地消のお食事をいただき、温泉につかり、文字通り「寝食を共にする」なかで、仲間の気配を感じながら撮影し、語り合い、思考をめぐらした2日間。花火やスイカ割りもなつかしい、夏の林間学校でした。

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