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新津保建秀写真スクール「見えないものを撮る」 第3回 レポート

2011年7月2日(土) アネックスB棟

新津保建秀写真スクール

 ゲストは、音楽家の渋谷慶一郎さん。課題は、〈一生手放したくない「音」を撮る〉。異分野のクリエーターを擁し、電子音楽からより多様なジャンルへと活躍の場を広げる渋谷さんは、自ら創り出す「音」を実際の社会の中で成立させるための術を心得た、プレゼンテーションの達人でもありました。ひとりひとりの作品について、エッジのきいた、かつユーモアあふれる言葉で講評してくださいました。

 当日は、アーティストの荒神明香さんも特別ゲストとして登場。アイデアから作品に至る過程がとてもわかりやすく表現されているポートフォリオを特別公開してくださいました。

 今回は写真と共に音源も提出するという難度の高い課題であったにもかかわらず、受講生のほとんどの方が、前回の永井さんの授業から2週間足らずの短い提出期間をクリア。皆さんの熱心さが伝わってきました。

 消えてしまうかもしれない音=日常の記録を作品とした人。かけがえのない記憶や存在と結びついた音や音楽を選んだ人。果して音は“所有”できるのか?というコンセプチュアルな問いそのものを作品にした人。ジョン・ケージのように、音の対極にある沈黙あるいは無音の不可能性を写真で表現しようとした人。

 渋谷さん、新津保さんいずれもが指摘したのは、対象との距離の取り方。個人的な記憶や記録を他者に伝わる表現にするための「対象化」の必要性でした。「好きなものをどれだけ引いて観るか」と新津保さん。渋谷さんはまた、音とヴィジュアルという2つのメディアのバランスの問題を指摘。音という抽象性の高いメディアと写真/ヴィジュアルが相補的であり、かつそれぞれを喚起させ、刺激しうるような表現の可能性を示唆しました。
とにかく、渋谷さんのライブ感覚あふれるインタラクティブな受講生とのやり取りと、新津保さんとの息の合ったコンビネーションに、授業は大いに盛り上がり、懇親会、アフター懇親会へと続くのでした。

 次回は、いよいよ越後妻有での合宿授業。池上高志さんによる「〈時間〉を撮る」です。

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