ヒルサイドライブラリーでは、文学、美術、建築、まちづくり、デザイン、思想、科学、経済、ジャーナリズム、音楽、ファッション等、さまざまな分野の第一線で活躍されている方々を“目利き”としてお迎えし、それぞれが「いい」と思われる本を10冊ずつ選んでいただいています。
立松 和平[Tatematsu Wahei]
1947年栃木県生まれ。作家。早稲田大学政経学部卒業。1970年、在学中に文学作品「自転車」で第1回早稲田文学新人賞を受賞。卒業後、土木作業員、運転手、魚市場の荷役などの職業を経験したあと、故郷に戻って宇都宮市役所に勤務。1979年から文筆活動に専念する。「遠雷」で野間文芸新人賞(1980年)、『卵洗い』講談社で坪田譲治文学賞(1993年)、『毒―風聞・田中正造』(河出文庫)で毎日出版文化賞(1997年)、歌舞伎座上演「道元の月」台本で大谷竹次郎賞(2002年)、『道元禅師』(東京書籍)で泉鏡花文学賞(2007年)、親鸞賞(2008年)を受賞。日本国内、国外を問わず各地を旺盛に旅する多くのエッセイを執筆、また、テレビ朝日系報道番組「ニュースステーション」への出演し、環境保護に関しての積極的な取り組むなど、行動派の作家として知られた。2010年2月多臓器不全のため死去。2009年より、全集『立松和平全小説』(全30巻、勉誠出版)の刊行が始まっている。