ヒルサイドライブラリーでは、文学、美術、建築、まちづくり、デザイン、思想、科学、経済、ジャーナリズム、音楽、ファッション等、さまざまな分野の第一線で活躍されている方々を“目利き”としてお迎えし、それぞれが「いい」と思われる本を10冊ずつ選んでいただいています。
石牟礼 道子[Ishimure Michiko]
1927年熊本県生まれ。作家。水俣実務学校卒業後、代用教員、主婦を経て、1958年谷川雁の「サークル村」に参加、詩歌を中心に文学活動を開始。1956年短歌研究五十首詠(後の短歌研究新人賞)に入選。代表作『苦海浄土 わが水俣病』(講談社)は、文明の病としての水俣病を鎮魂の文学として描き出した作品として絶賛され、1973年マグサイサイ賞を受賞。2002年7月には「不知火」を発表、大きな話題を呼んだ。1993年『十六夜橋』(径書房)で紫式部文学賞、2001年度朝日賞、『はにかみの国 石牟礼道子全詩集』(石風社)で2002年度芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。そのほかの著書に、『海と空のあいだに―石牟礼道子歌集』(葦書房)、『形見の声―母層としての風土』(筑摩書房)、『潮の呼ぶ声』(毎日新聞社)、『石牟礼道子全集』(全十七巻、別巻一、藤原書店)などがある。